2008'10.16.15:24

地方で暮らすから見えること

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愛知県豊橋市から荷物が届いて、開けてみるとそこには1冊の雑誌と手紙が入っていた。以前、Bridgeを送ったのが縁で、自分が作っていたフリーペーパー『パンホリック』と東三河で発行している雑誌『QUATRO』と『fratto』を送ってくれた、デザイナーの宮下さんからだった。(Bridge パンと暮らすフリーペーパーpanholic

脱情報誌を目指そうとリニューアル準備中だった『QUATRO』は、会社とのビジョンの相違でどうやら座礁しそうだという。送られてきた最新号の『fratto』には、「地方発信がタウン誌だけだなんて悲しすぎるので、今号は編集長と話して、なるべく情報を入れないような本づくりをしてみました。」と書かれていている手紙が添えられていた。美しい写真と洗練された記事。最後まで読まないと、おそらくこれが地方発の雑誌だとは誰も気がつかないに違いない。自分たちが暮らす地方の美しい場所をさらりと紹介しながらも、読んだ人がその場所に訪れてみたいと思わせるような、とてもいい本だった。

最近のニュースで、関西の老舗タウン誌エルマガが休刊になるという話を聞いた。(「エルマガ」来年2月号で休刊 - MSN産経ニュース)相次ぐ雑誌の廃刊や休刊。やはりどの雑誌も広告が取れなくなってきているらしい。

宮下さんは前の手紙に、「地方で暮らすから見えること、感じられること、楽しめること。そんなあたりまえのことをごく普通に本にできたらなあと思います。」と書いていた。「情報ではなくストーリーを届けたい」とも。この気持ちが僕には痛いくらいによく分かるから、『QUATRO』が座礁した悔しさもとてもよく分かる。情報を届ける手段はたくさんある。新聞、テレビ、ネットに情報誌。僕もブリッジでは、それらのメディアでは伝えきれない何かを届けたいと、いつも思っている。

あまり関係ない話かもしれないけど、生まれた鳥取県を離れず、ずっと地方で暮らしながらモダニズムを追い続けた写真家、植田正治のことを思い出した。地方で何かを発信するということは、田舎の良さをアピールするだけじゃない。僕はいつも、そう思っている。

植田正治の世界 (コロナ・ブックス 136)植田正治の世界 (コロナ・ブックス 136)
(2007/10/20)
植田正治事務所

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